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コロナ禍の店頭コミュニケーション
~オペレーション力~

三密を避け、飛沫感染防止、接触感染防止をすることへの意識と行動は、 世の中に定着してきました。また冬の感染拡大を見据えた対応策についても、夏から継続して取り組みを考える個人や企業が多くなっています。そこで営業再開以降に店頭リサーチした際の状況から、安全・安心、円滑な店舗運営のために押さえておきたいことを「3つのポイント」としてピックアップしましたので、ノウハウを交えて具体的に紹介したいと思います。

顧客心理に配慮したオペレーション力

お客さまの信頼を得、安心してご来店いただくために必要なことの一番に挙げられるのは「オペレーション力」だと思います。その課題は店舗スタッフのイニシアチブによる運営です。例えば、飲食店舗では新型コロナ対策のため席の間引きがあり、「使用可能なお席にご自由におかけください」という案内が多く見られます。しかし、そこで生じるのが一部のエリアの席が埋まっていくという現象です。他のエリアの席の使用率は低いのになぜか1か所に集中した使用となるのです。その原因は、人間の知覚判断や行動特性にあります。空間認識力が弱くなる場合や弱くなる人がいるのです。空間認識力が弱い場合は、他が空いていても人が集中している所に引き付けられることがあります。また”いつもの席に座りたい”という理由から、たとえ人の密集率が高くても先客がいなければ、指定席に座るという「2次的テリトリー」の確保があります。

店舗では既に間引きされているので、この時点で安全性はおおよそ確保できていますが、それでも既に着席されているお客さまからすると、自分のエリアに人が集中することの不安が出てきます。安心して過ごしていただけるために店舗側は、新規のお客さまの意向はもちろん、既にいらっしゃるお客さまの心理にも配慮が必要です。そのため店舗全体の席使用率とバランスを考え「こちらの2席でお好きな方をお選びくださいませ」と、エリアは限定というイニシアチブはとりながらも、席選びについてはお客さまに選択肢を用意し、自由度があるオペレーションがおススメです。千利休の弟子たちが後年教えをまとめたとされる「利久七則」の中に「相客に心せよ」とありますが、正にコロナ禍では特に心にとめたい考えだと思います。

イニシアチブ~一歩先を行く心配り~

飲食店舗の事例を挙げましたが、ファッション店舗の事例も紹介したいと思います。「ここなら安全」と心地良く感じた店舗では、ショッピングセンターのフードコートで使用されている呼び出しベルの活用やフィッティングルームの混雑を回避するために番号札の配布がありました。どちらも呼び出しがかかるまで、店内にお客さまが分散する良い方法だと感心しました。
ご案内の際には「混雑を避けるために順番にご案内しております。番号(呼び出しベルが鳴る)をお呼び出しするまで、店内でゆっくり商品をご覧くださいませ」と、必ず販売スタッフの説明があり、運営のイニシアチブを感じることができました。またその他にも、フィッティングルームの消毒が次に利用されるお客さまの目の前で十分に行われていることにも感心しました。安全・安心の運営については、特にお客さまに見えていることが信頼につながる重要なことだと思います。しかしながら靴の試着後の消毒については、試着されたお客さまに見えてしまっては印象を悪くしますので、要注意です。

接客時間が少なくなっている今こそ
VMDに工夫を

VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング、Visual・Merchandising)は、見やすく選びやすく買いやすく、店舗や売場の個性/主張が見えるように視覚に訴えて、最大限商品でお客さまとコミュニケーションを取る販売活動のことを言います。特にWithコロナの今、効率よくお買い物を楽しんでいただくためにもVMDは重要です。「欲しいものに労せず辿り着くことができるようなVMD」のノウハウを紹介します。
VMDを推進するために、お店の中には3つの機能を明確に設定します。

  • VP(ビジュアル・プレゼンテーション/Visual Presentation)
    提案の場/見せる場/ディスプレイの場
  • PP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション/Point of Sales Presentation)
    販売時点の提案の場/見せる場/ディスプレイの場
  • IP(アイテム・プレゼンテーション/Item Presentation)
    陳列の場/売る場

Withコロナ下では、この3つの機能の連動が、お客さまの効率よく楽しいお買い物を実現します。具体的に言うと、VPとPPでディスプレイした商品を、すぐ近くのIPで陳列展開する手法です。そもそもPPは、販売時点のプレゼンテーションですからIPとの連動は原則なのですが、理論上独立した提案で良いとされてきた店舗ウインドーやVPは大きな面積で提案するので、アイキャッチ力も高いため、商品の品揃えが近くにあると、短い時間でお買い物ができやすくなるのです。さらには、IPの陳列も店頭の前方は、ウインドーやVPでディスプレイしたコーディネイトが一か所に集積されるよう、アイテムごとの陳列ではなく、コーディネイト陳列ができれば、商品の着こなし、着回しを想像でき、お客さまのお買い物の楽しさは倍増すると思います。VMDの理論や原則はありながらも、世の中の情勢やお客さまの気分を反映させるお店づくりにチャレンジしてみてください。

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