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今こそ身につけたい「温かい言葉」

世界が新型コロナウイルス一色に染まった2020年ももう年の瀬です。感染予防対策から行動制限は始まり、心身ともに不自由を強いられた一年、リモートでのコミュニケーションは、旅行、飲み会とプライベートにおいても多種のつながり方が生まれました。こんなこともリモート?あんなこともリモート?リモート、リモート、リモーーーート!リモートのシャワーです 。そんな中よく耳にした声があります。今回のブログは、それをテーマにしたいと思います。

リモートのシャワーが浮き彫りにしたこと
聞こえてきたのは…「気持ちを表す言葉が見つからない」「語い力がない」という声。皆さまはいかがですか?手振り身振りの非言語的コミュニケーションは無いも同然のリモート環境、顔中心の映像ですから言語的コミュニケーション能力がクローズアップされやすいのかもしれませんし、自分自身がそのことについて、これまで以上に気づくのかもしれません。「何か言わなきゃ(汗)」「気の利いた一言さえも出ない(涙)」もう生みの苦しみです。またこれからはギフトシーズン/ホリデーシーズンですし、直接会えずとも年末年始の行事や挨拶で、気持ちを込めた”温かい言葉”、贈りあえると素敵ですね。

使っていませんか?お手軽言葉やNGワード
言葉を考える前に、普段の言葉遣いを思い出してみてください。「そうなんですね」「そうなんですか」「そうだったんですか」「なるほど、なるほど」「わかります。わかります。」というあいづちのようなお手軽言葉を使っていませんか。 また、間違った日本語表現であり、接客用語として好ましくない「本当ですか」などのNGワードを皆さまも毎日のように使っているのではありませんか?メディア関係者でも使っているのを耳にした覚えがありますから、手軽に使える言葉なのだと思います。しかしながらこの言葉が曲者だと、皆さまはご存じですか?実際にやり取りゲームを体験していただくと(リアル研修が再開されれば、是非私のプログラムにご参加ください)一目瞭然なのですが、これらの言葉は…
(1)お客さまの話を軽く受け流すように聞こえてしまいます。
(2)会話がつながらず、会話を分断してしまいかねない言葉です。
…と述べると、「会話は続いている」と反論されたい方もいらっしゃると思いますが、本当に会話として成立していますか?またこういった場合はどちらか一方が会話継続のための努力をしています。もしその役割をお客さまが担ってくださっているとしたら、辛いですね。お手軽な言葉にサヨナラすること、それが自分の言葉で会話をする出発点になります。

「温かい言葉」

それでは、一番悩ましい「言葉を手に入れる」ということについて、私、おすすめのやり方を事例を通して紹介したいと思います。
皆さまは素敵で格好いい言葉、決め言葉に囚われてしまい、自ずと言葉が出にくい状況に自分を追い込んでいるのではないでしょうか。以前言葉遣いの研修で、私が「お客さまに、本当ですかと申し上げるのは、お客さまを疑う言葉なので厳禁です」と説明しましたら、1人の受講者が「お客さまが先週お財布を落としてしまった」と話され、その際「本当ですか!」と言ってしまったそうです。「そういう場合どうすればいいのでしょうか、決して疑っているわけではないんです」とのことでした。
このような経験を多くの方がしていると思います。そこで私は「本当ですか!と言った時の〇〇さんの気持ちはどのようなものでしたか?」と逆質問をしました。回答は「驚いてしまって・・」。そう、この気持ちが重要なのです。言葉にする前=行動に移る前、の自分の気持ちを辿ると言葉が出てきます。身近なお客さまがお財布を落とされた。驚いてしまった。この気持ちを言葉にすれば、お客さまに寄り添う温かい言葉になるのです。「驚いてしまいました」だけでも伝わりますし、「まさか自分の身近な方がそんな状況にいらしたなんて、驚いてしまいました」と自分とお客さまの距離を示す言葉を加えることができるとさらに良いと思います。「さぞかし驚かれたでしょう」「不安だったり、心配だったり、大変でしたね」など、自分が感じた気持ちを、お客さまを主語にして話されると、気持ちの広がりとともに表現も広がります。「そうだったんですね」「本当ですか」とお手軽言葉やNGワードを言われるより、温かみのある言葉で会話をしていると思いませんか?気持ちは交錯し、何を言って差し上げればよいのか?わからなくなる時は、「驚いてしまって、言葉が見つかりません」という正直な気持ちをお客さまに伝えてください。
このように、

(1)今感じた自分の気持ちを言葉にしてみる。
(2)お手軽な言葉を発する1つ手前の気持ちに従う。

これが大切です。格好いい言葉を言おうとすればするほど、お手軽な言葉やNGワードしか思いつかなくなります。自分のお客さまを思いやる気持ちをそのまま口にするということが、気持ちのやり取りとなるのです。



表現方法は違えど、お店づくり(VMD)、接客、マネジメントなど、コミュニケーションに関する仕事をしていますと、言葉の大切さが身に沁みます。現代は心を病む人が多いです。心を病まない方法はないものか、考えていましたら、臨床心理士の方が、自分の心の状態を言葉で表すことができると病が癒えることにつながる。と教えてくださいました。また最近知ったのですが、自分の気持ちを言語化できない人が多くなっているので、同じような気持ちを言語化してくれている人のSNSが見つかると”いいね”マークを付けているそうです。SNSはこんな側面もあるのかと感じた次第です。でももし自分なりの想いを言葉にしようと思われたなら、紹介した方法を試してみてください。



Nishimiyaのひとこと


「コミュニケーションの決定打を放つのは言葉です。その言葉は、あなたの温かい気持ちが生み出します。」

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